ウォルナッツ・クレイワークスタジオ

「静岡新聞社情報誌(2012年)」にて粘土の立体造形イラスト表紙を担当しました。

ウォルナッツ・クレイワークスタジオは、静岡新聞社情報誌「ぐるまる探偵団」(2012年・37-42号)にて粘土の立体造形を行いました。2011年に引き続き、2012年も表紙(ラフデザイン、粘土造形、撮影)、誌面レイアウトデザイン(ロゴデザインやレイアウトデザイン、写真の構成、ディレクション、取材など雑誌を制作する全ての工程)など、情報誌制作に関する全ての作業を担当させていただいております。

迫力のある竹馬(天狗の神さま)をねんどで再現!

静岡新聞社情報誌37号「磐田・貴船神社の例大祭の竹馬」 
静岡新聞社情報誌37号「磐田・貴船神社の例大祭の竹馬」 

第37号は、日帰りで楽しむ観光スポット”秋祭り”特集ということで「磐田・貴船神社の例大祭の竹馬」をテーマに、粘土の立体造形を制作をしました。天狗さんがすごい勢いで竹竿を振り回してるよ、怖いね。いやいや、あの天狗さんは神様の使いでね、みんなのためにお祓いをしてるんだよ。というシチュエーションで制作しました。

毎年10月に磐田市で行われる例大祭で、壮麗な屋台と伝統あるお囃子で賑わう伝統のあるお祭りです。掛塚9町の屋台が一同に並び曳き回す様子を見て、すごい迫力で圧倒されました。屋台1つ1つの造形がとても素晴らしく、伝統とこの祭りがいかに地域の人たちに大切にされているんだなぁと感じたことを覚えています。天狗に見えるキャラクターは竹馬と言われていて、神様の使いとされています。赤い衣装を身に纏い、四辻を三方向にバレン(孟宗竹に轡をあしらい、手綱を付けたもの。先端は12分割する)を振り上げ地面に叩き付けて祓い清めます。

今考えると本当に申し訳なかったなと思うのですが、この竹馬を先頭にした行列中、取材のため距離の離れた土手に立って行列のスチール撮影していたところ、神様の上に立つとは何事だと、ものすごく怒られたことを記憶しています。竹馬役の方は厳しい物忌み、精進、天竜川での禊を課せられるそうです。竹馬の目に入るところ、もちろん屋台に乗ることも許されないという徹底ぶりで、とても驚きました。

竹馬は全てねんどで制作しています。竹馬を抱えるポーズが非常に特殊で、脇に抱えながら竹を持ち上げている様を造形しました。髪の毛の流れなども竹を振り回す動作に合わせて制作することで、1つのシーンを切り取ったような造形をすることができました。竹やそれを結ぶ縄も全てねんどでできています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、ニス、針金、絵具などです。

静岡で有名な和菓子「大砂丘」をねんどで作ったよ!

静岡新聞社情報誌38号「工場見学に行こう!」
静岡新聞社情報誌38号「工場見学に行こう!」

第38号は、日帰りで楽しむ観光スポット特集「工場見学に行こう!」をテーマに、粘土の立体造形を制作をしました。地元の食品工場に潜入だ!こんなにすごい機械で美味しいお菓子や牛乳を作ってくれてるんだね!というシチュエーションで制作しました。記事の中でいろいろな工場見学を紹介したのですが、その中の和菓子屋「たこまん」のケーキと大砂丘、「フクロイ乳業」の牛乳をモチーフに制作しております。一般の方も見学できる工場として取材をさせていただきました。普段はお店で購入する商品の製作工程が見られるということで、とても新鮮な気持ちで見学したことを覚えています。

「たこまん」の大砂丘というお菓子はとても有名で、お土産として普段から購入しているのですが、取材をしているうちに、この大砂丘を粘土で作って表紙で使おうと考え、僕は手作りですが、粘土でおかし作りを始めました。大砂丘のお菓子の中にあるクリームを粘土で作り、それを挟みこむようにねんどで作ったパン生地で包んでいます。生地は、ボソボソとしたリアルな表現であとづけしています。そして特徴的な白いお砂糖は、とてもきめ細やかな白い粉なので、茶こしに片栗粉を入れ、そこから振りかけるという技術で制作しています。見た目もそっくりな大砂丘ができて満足しました。でもやっぱり粘土で作るのではなく、食べる方が良いですね。

フクロイ乳業の牛乳も、粘土で制作しました。この会社の牛乳は学校給食でも使用されているため、キャラクターは給食係の格好をしています。とっても美味しい牛乳なので、地区の子どもは幸せだろうなと感じたことをよく覚えています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、片栗粉、茶こし、針金、絵具などです。

子ども達の遊具を粘土で立体造形しました。

静岡新聞社情報誌39号「公園で遊ぼう!」
静岡新聞社情報誌39号「公園で遊ぼう!」

第39号は、日帰りで楽しむ観光スポット特集「公園で遊ぼう!」をテーマに、粘土の立体造形を制作をしました。大型の遊具がいっぱいの公園で、子どもたちと一緒に遊んでいるキャラクター達というシチュエーションで制作しています。静岡県掛川市にある22世紀の丘公園には、遊びの里と呼ばれる大型遊具がある児童向けの大型公園があります。「登ったり、滑ったり、渡ったり」子ども達が次々にチャレンジしている様子を見て、このカラフルな遊具を粘土で作って、表紙にしようと考えました。まず驚いたのは、この公園の遊具のデザインでした。すごくカラフルで、僕の子どもの頃に遊んでいた公園とは全く違うもので、1つのアミューズメント施設のようでした。

粘土の造形は1つ1つ部品を作ることから始めました。滑り台を作るために、定規などで粘土を平たくし固めて、それらをカットしたのち組み立てて制作しています。画像の中では分かりづらいのですが、ちゃんと滑り台を登るための階段もついており、実際のキャラクターを登らせて滑らせることができるくらいのサイズで制作しております。よくご質問の中で、なぜそこまで細かいところまで作るのですか?見えない部分は作らなくてもいいんではないですか?と聞かれることが多いです。基本的に楽をするのであれば、作る必要はありません。CGのように複製したり合成することもできます。ただ作品の質にどうしても現れます。手を抜いて制作する場合は、気がつかないところで、見落としがあり、その点が誌面全体のバランスや質や説得力を失わせることがあります。

滑り台を滑り降りる女の子の髪の毛が動力で変化することも、スカートは普通のものではなく、プリーツにした方がかわいいなどです。おそらく読者の方が気がつかない場所であるとしても、このような素晴らしい仕事をさせていただいている以上、手を抜きたくはないな、頑張っていいものを作りたいな、と常に心に決めています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、竹串、針金、絵具などです。

へいらっしゃい!車も野菜も全部手作り!ねんどだよ!

静岡新聞社情報誌40号「軽トラ市に行こう!」
静岡新聞社情報誌40号「軽トラ市に行こう!」

第40号は、日帰りで楽しむ観光スポット特集「軽トラ市に行こう!」をテーマに、新鮮な食材を軽トラックに乗せて販売する様子を粘土で立体造形しました。へいらっしゃい、らっしゃい!ほらこの新鮮なトマトがこの値段だ、持ってけ泥棒!ねぇ、口上がフーテンの寅さんみたいになっちゃってるけど大丈夫?というシチュエーションで制作しました。

軽トラックに乗せて販売?という少し変わった商売で、知らない方はピンとこないかもしれませんが、静岡県では地域によって、週末などで農家さんや飲食を商いにしている人たちが、軽トラックに農作物を積み込み、市場のように路上で販売するというイベントがあります。新鮮なだけでなく、安く購入できるということもあって、大変多くの人で賑わっている様子を見て、この軽トラ市をねんどで制作して、表紙に登場させようと思いました。

誌面上は可愛くできて、ゆるい感じの良い表紙にできたのですが、これがとても大変でした。軽トラックも全てねんどで作っているのですが、窓ガラスなどはどうしてもねんどではうまくいかない。そのためにプラスチック板をカッティングして窓にするのですが、今度は、車内が見えてしまう。じゃあ車内を作らなくてはという繰り返しで、大変な作業になってしまいました。撮影するといい感じなのですが、わかっていながらも車内があまり写り込まないことに、少しがっかりではありました。

次は野菜をねんどで作ることになりました。ただ、軽トラ市は色々な食材や農産物が販売されている。それを表現したいと思い、野菜や果物やと色々取り上げていたら、大変な種類のねんどを作ることになりこれも一苦労。ちなみにこの軽トラックに乗っている人参は子どもの小指の爪より小さいサイズです。ねんどで作った野菜は、大根、人参、トマト、ジャガイモ、しいたけ、メロンにお花という盛りだくさんになってしまいました。大変だった分、今でも可愛くて気に入っています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、竹串、プラスチック板、針金、絵具などです。

世界最大の大念珠。油山寺の大祭を粘土で造形。

静岡新聞社情報誌41号「袋井市の油山寺」
静岡新聞社情報誌41号「袋井市の油山寺」

第41号は、町自慢特集「袋井市の油山寺」をテーマに、油山寺と大念珠祭りを粘土で立体造形しました。うわー、すごい長い数珠だね。どのくらいまで続くんだろう。というシチュエーションでデザイン、制作をしました。静岡県の袋井市にある油山寺は、遠州三山の一つで、大宝元年(701)に行基大徳によって開山された真言宗のお寺です。すべての人の穏やかな暮らしと無病息災を祈り、行基大徳は本尊の薬師如来を奉安されました。

油山寺という名前は、昔この山から油が湧き出ていたため「あぶらやま」と呼ばれていたことに由来しているそうです。正直、袋井市にもこんなに古くからあるお寺があるのだと驚いたことを思い出します。目の病気を癒すお寺として有名ですが、その由来も古く天平勝宝元年(749)、孝謙天皇が御眼の病気を患った折、当山の本尊である薬師如来に眼病平癒を祈願され、境内を流れる「るりの滝」に加持祈祷を行い、この霊水で御眼を洗ったところ、病気が全快したといいます。

歴史ある油山寺では、3年に1度大念珠祭りという大祭も行われています。このお祭りでは世界最大の大きさである1112個の数珠を繋いで作った数珠を持って大願成就を祈願して多くの人が賑わいます。その様子をねんどで制作して、表紙にしたら面白いだろうなと考えたことを覚えています。油山寺の塔は粘土で制作しました。大念珠は本物の数珠と同じように1つ1つの数珠を作り、それをつなげて制作しています。木目が美しい数珠であったため、自然なマーブル状になった数珠を作ることに大変苦労したことを思い出します。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、スポンジ、針金、絵具などです。

遠州森町の舞児還しの様子をねんどで作りました。

静岡新聞社情報誌42号「遠州森町の舞児還し」
静岡新聞社情報誌42号「遠州森町の舞児還し」

第42号は、日帰りスポット特集「遠州の秋祭り」ということで「遠州森町の舞児還し」をテーマに粘土の立体造形を制作しました。森の祭りのクライマックス、役目を終え、親元に届けられる舞児を見ているキャラクターというシチュエーションでデザインし、制作しました。

静岡県の遠州地方の祭りの最後を飾る、勇壮な遠州森の祭り。各地区ごとに豪華絢爛な山車があったり、けんか祭りとも言われるほど激しい荒祭りとしても有名です。森の祭りの醍醐味のひとつが「練り」。「ヨイショら!」と大声をかけながらぶつかり合う様子は想像以上で、実際に取材撮影に行きながら、その迫力に圧倒されたことを今でもよく覚えています。今号の表紙にもなっている「舞児還し」はこの大祭の最後を飾るとても重要で名誉ある役割です。祭りの期間、舞の奉納を終えた舞児は役目を終えると、祭りの若衆の手で家族の元へと送り届けられます。親元に返された時のご両親と子どもの安堵した表情は、見ていて心が熱くなりました。ぜひこの様子を表紙の造形として飾りたいと思い、制作しております。

装束を着た舞児を地元の若衆が担いで親元に返しているシーン、キャラクターたちの表情に達成感を出したいと思い造形しました。今見てもすごく良い表情で造形でき、細部の部品まで精密に作ることができました。それだけ僕自身もこの森の祭りのすごさに熱を持ってしまったのだと思います。今見てもとても好きな作品に仕上げることができました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、竹串、針金、絵具などです。

商業デザイナーから立体イラストレーターへも活動が広がるきっかけ

静岡新聞情報誌の担当をはじめて、7年目の作品になります。この雑誌のおかげで、当初は商業デザイナーとしてだけで仕事をしていた自分が、ベネッセ・コーポレーション様のこどもチャレンジや学校の教科書など様々な媒体で、立体イラストレーターとして粘土の立体造形単体での仕事をお願いされることも多くなりました。もちろん現在でも商業デザイナーとして広告や店舗デザインやTVCMも作っているのですが、マス広告以外にも自分の粘土作品を評価していただけたことが、すごく光栄だなと思いました。

粘土の立体造形をしているときに思うことは、作り上げる時の楽しさと同じように優しい気持ちになることです。僕の作品を見て笑ったり、気に入ってくれたり、子育て中に使用する教材を通して成長を共にできたり、作品を通していろいろな人と結びつくことができる。本当に贅沢な仕事をさせていただいおり、光栄だなと今でも強く感じております。

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