ウォルナッツ・クレイワークスタジオ

「民主音楽協会コンサートガイド(2011年1月〜6月)」にて粘土の立体造形イラストと表紙デザインを担当しました。

日本イラストレーター協会・最優秀エディトリアルイラストレーション賞 受賞作品。民主音楽協会の音楽情報誌コンサートガイド の表紙を2011年1月~12月まで、情報誌の表紙の粘土の立体造形イラストと表紙デザインを担当しました。キャラクターデザイン、粘土の立体造形、撮影、編集を担当しております。日本イラストレーション協会でのイラストレーションコンペからの採用より始まったシリーズですが、クライアント様からの評価を受け、数年にわたりイラストレーションの制作を担当させていただくこととなりました。本当に楽しく素晴らしい機会をいただけた作品となります。2011年は、動物キャラクターとのイメージキャラクターのミミ(女の子)とミラノ(愛犬←でも自分はミミの世話役だと思ってる)による音楽演奏をテーマに制作しております。毎月、動物たちと奏でる楽器をミニチュアで制作していきます。1月から11月にかけ動物たちとの演奏は続き、12月にみんなでオーケストラ演奏をします。

花のピアノを奏でたら、空からキラキラ、ねんどの音符が降ってきた!

2011年1月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ライオンの指揮と花のピアノ」
2011年1月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ライオンの指揮と花のピアノ」

第1回目の表紙となる2011年1月号で登場するのは「ライオン君」との演奏をテーマに、粘土の立体造形を制作しました。ミミが弾くピアノは素敵だなぁ。ホントに花が咲いていくみたい。イテテ、空から音符が降ってきた、不思議だなぁ。というシチュエーションで制作しました。1月号でライオン君が登場した理由は、僕の中で一番有名なクラシック音楽家が「ベートーベン」だったからです。スタートを飾るのならこの人をモチーフにしたキャラクターにしたい、ということで一番モサモサした頭をしてるライオンのキャラクターとなりました。

制作しているピアノはすべて粘土でできています。木のピアノが好きなため、粘土に木の模様が付くようにあとをつけながら制作しました。ピアノが奏でる音はすごく華やかで、踊るような気持ちになるため、少しでもそのイメージを誌面に入れたいと思い、木のピアノの中に花を入れたデザインにして、空にはねんどの音符が飛び交っているという表現をしました。

空の上での演奏会というシチュエーションにしたかったので、ピアノの下には雲を模した綿を敷き詰めています。空に浮かぶ音符も全て粘土でできています。平たくした粘土に紐をつけて吊るしながら、ストロボ撮影を行いました。初めての粘土アートによるミニチュア楽器作りはとても緊張しましたが、すごく良いものができたと今でも気に入っています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、ニス、綿、針金、絵具などです。

粘土が奏でるバイオリン三重奏。小指の先ほどのミニチュア楽器ができました!

2011年2月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「うさぎとバイオリン」
2011年2月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「うさぎとバイオリン」

2011年2月号の表紙で登場するのは「うさぎさん」、演奏する楽器は「バイオリン」。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。うさぎさんのバイオリン演奏に合わせて、鬼の子どもたちが踊り出したよ!ミラノはちゃんと弾けるかな?というシチュエーションで制作しました。

今回制作したミニチュア楽器は、弦楽器「バイオリン」。制作した楽器のサイズは、小指の先に乗る程度の大きさです。(ミラノの持つ楽器は、もっと小さく半分くらいのサイズのミニチュアです。)小さい造形にはなりますが、作りは本格的なバイオリンとして制作しました。バイオリンは木材(メイプルなど)で作られているため、粘土で形を作ったのち、木目が出るように塗装しました。とても小さなミニチュアのため、素材は通常の樹脂粘土や軽量粘土では加工中にすぐ折れてしまうため、強度の強い石膏粘土を使用しました。形を整えたのち、乾燥させ、カッターを用いて制作しています。

弓もキャラクターが手で持てるくらいのサイズにしているために、2cmほどの細い粘土で作っています。キャラクターが持っているために、あまりよく見えないんですが弓毛まで再現してるんですよ。このミニチュアバイオリンで最も大変だったのは、弦です。本物と同じように弦を4本張る必要があり、ピンセットを使いながら、小さい小さいバイオリン技師のように制作したことを今でも覚えています。大変だった分、ミニチュアサイズのバイオリンはとても可愛くできて、今でもお気に入りです。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、ニス、プラスチック糸、針金、絵具などです。

梅の花と音符が広がる演奏。ミニチュアサイズのクラリネットをねんどで作りました!

2011年3月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「おさるさんとクラリネットとひな祭り」
2011年3月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「おさるさんとクラリネットとひな祭り」

2011年3月号の表紙で登場するのは「おさるさん」、演奏する楽器は「クラリネット」。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。「おさるさんのクラリネット演奏ステキね!ミラノのガールフレンドもとってもお似合い」「ねぇ、ミミ。この格好きゅうくつだよ、脱いじゃダメかな」というシチュエーションで制作しました。

今回制作したミニチュア楽器は、管楽器「クラリネット」。キャラクターの演奏するクラリネットのサイズは3cmくらいのミニチュアサイズ。でもキーシステムをしっかりつけたり、マウスピースをつけたりと細部までこだわって作ることができました。ひな祭りのぼんぼりも全て粘土でできています。粘土で造形したあと、ぼんぼりの骨組みを粘土で貼り付け、絵柄を彩色しました。モビールとしての音符やひな祭りに合わせた梅の花も全て粘土でできています。

毎回思うのですが、背景のセットだとしても細部までこだわりを見せることが、絵の説得力につながるという良い例だなと感じます。ミラノがいつもの格好と違うのですが、ウォルナッツ・クレイワークスタジオのキャラクター造形は特殊で、全てパーツが分かれてできています。そのためシチュエーションやセットが変わるたびに洋服を変えたり、ポーズを変えたり、表情を変えることができます。おさるさんの表情や演奏するポーズも自然な感じがしてとても気に入っている作品です。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、ニス、針金、絵具などです。

小鳥のさえずりみたいなフルートの音色。ねんどと綿で作った桜の木も満開だ!

2011年4月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「小鳥とフルート」
2011年4月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「小鳥とフルート」

2011年4月号の表紙で登場するのは「小鳥の3兄弟」、演奏する楽器は「フルート」。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。桜の木の枝にのって、フルートの演奏会。小鳥の3兄弟のチームワークは息がピッタリだね!というシチュエーションで制作しています。フルートのミニチュアは本物と同じように、指を押さえる穴も再現して制作しています。春に発行される情報誌ということで、キャラクターたちが、小鳥のいる桜の木の上で演奏したら可愛いだろうなと思い、制作に入りました。

桜の木の枝や花びら、つぼみは全てねんどでできています。桜の花びらは1枚1枚平たく造形し、花びらの形にハサミでカットして制作します。本物の桜の花と同じようにそれを5枚作り、重ね合わせて、めしべおしべをつけて花ができています。1つの桜の花を作るだけでもとても大変な作業ですが、細部までこだわることによって、クラフト感溢れる可愛い粘土の桜になります。

小鳥の3兄弟も黄色、青色、緑色と色で分けて、それぞれの性格があるように微妙に表情を変えて遊んでみました。丁寧に吹くのは誰かな?強く吹くのは誰かな?テクニックで難しい演奏をするのは誰かな?という感じで、作りながらとてもワクワクしていたことを覚えています。満開の桜の木を表現するために、綿をピンクに染め上げて、表現しました。粘土の素材との差ができ、どちらも引き立つようなバランスが取れたと思います。明るい雰囲気が今でも好きな作品となりました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、ニス、針金、絵具などです。

長年磨かれ続けてきたアンティーク感のあるチェロを粘土で制作。本物そっくりのミニチュア楽器です。

2011年5月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「くまの親子とチェロ」
2011年5月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「くまの親子とチェロ」

2011年5月号の表紙で登場するのは「くまの親子」、演奏する楽器は「チェロ」。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。「おっとっと、重いー」「ミラノ、チェロ持てるの?大丈夫?」二人の様子を見て微笑みながらチェロの演奏を始めるくまのお父さん。というシチュエーションで制作しました。5月号になり、ミニチュア楽器の制作に慣れ始めた頃の作品となります。今でも本当に好きな作品で、この時に制作した粘土のチェロは、今でもすごくリアルで気に入っています。

バイオリン属の弦楽器である「チェロ」は、バイオリン同様、木でできた光沢のあるとても美しい楽器なので、これを本物そっくりに作り上げることが課題でした。石膏粘土を使い、ボディとネックを形作った後、木目を表現するためにヤスリをかけて、自然な木の流れを作り出すことができました。木目が出るように楽器を塗ったのですが、まだ美しい光沢が出ていない。そこで光沢液を使い、何年も弾き続け、その度に磨かれてきたような仕上がりになるように塗装を行いました。細部にまでこだわって仕上げた結果、素晴らしいボディを作り上げることができました。

ボディを作るだけでなく、ナットの部分やエンドピンなどクラフト感を出しつつも本物に近づけるために、全ての箇所に神経を使い制作したことを覚えています。チェロの弓や4本の弦もチェロに合わせて貼り付け完成しました。撮影したデータには映り込ませることができなかったのですが、くまの座っている椅子も切り株という、見えないところにまで気を配って作ったなぁと、今でも思い出す好きな作品です。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、石膏粘土、光沢液、針金、絵具などです。

鍵盤の配列まで全て正確に。細部にまでこだわった粘土の木琴

2011年6月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「パンダと木琴」
2011年6月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「パンダと木琴」

2011年6月号の表紙で登場するのは「パンダ」、演奏する楽器は「木琴」。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。竹やぶの中から響いてくる木琴の音色。「ねぇ、ミラノくん。カエルと遊ばないで木琴弾いてくれる?」というシチュエーションで制作しています。

今回のミニチュア楽器は木琴を作りました。鍵盤の配列など実物と同じように制作をしています。楽器を始めとしたミニチュアを制作する時に気をつけている点は、ディフォルメすることなく本物と同じ形状を作ることを大切にしています。そうすることでミニチュアサイズになった楽器を見て、可愛らしさやクラフト感など、いい意味でサイズの違和感を持たせることができます。

6月発行の情報誌のため、少しだけ梅雨の雰囲気を演出したいなと考えました。京都のお寺を見ることが好きなのですが、中でも一番好きなのは苔寺です。特に苔がもっとも美しくなる梅雨の時期がとてもステキで、境内には竹林が広がっています。その印象が強く、今回竹林にあった動物にしようと思いパンダを選びました。ただ少し梅雨感がわかりづらくなってしまうと困るので、より飴を印象付けるためにミラノの頭の上にカエルをのせる演出をしました。紙面全体がユニークさがありながらも、しっとりとした色で抑えられたため、良いバランスが取れたなと思います。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、石膏粘土、光沢液、針金、絵具などです。

ミニチュアで制作する楽器の難しさ

民主音楽協会様の情報誌コンサートガイドを担当させていただいて、ミニチュアの楽器づくりを行いました。今までミニチュア制作としてはミニチュアスイーツやミニチュアフードなどの定番的なものは経験がありましたが、楽器という別の意味でリアルな造形は初めての体験でした。

ウォルナッツ・クレイワークスタジオは、全ての造形を既製品や3Dプリンターなどを一切使用せず、一からクリエイターの手によって全て制作しています。よくこんなに色々なものが作れますね。という感想をいただくことが多いのですが、その理由はそこにあると思います。独学で粘土の立体造形を始めたため、セオリーというものが全くありません。今でもそうですが、どうすればいいかを、粘土をこねながら考えるという毎日の連続です。

ウォルナッツ・クレイワークスタジオのスタイルは、試行錯誤をしながら、良い作品を作りたいという情熱です。このコンサートガイドの表紙を今見ると、苦労したけど良いものを作ったなと、今でも自信を持って言えます。その気持ちがクライアント様にも繋がって、数年にわたりお仕事をご一緒させていただいたのだと思います。本当に嬉しかったなぁ。

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