ウォルナッツ・クレイワークスタジオ

「民主音楽協会コンサートガイド(2011年7月〜12月)」にて粘土の立体造形イラストと表紙デザインを担当しました。

日本イラストレーター協会・最優秀エディトリアルイラストレーション賞 受賞作品。民主音楽協会の音楽情報誌コンサートガイド の表紙を2011年1月~12月まで、情報誌の表紙の粘土の立体造形イラストと表紙デザインを担当しました。キャラクターデザイン、粘土の立体造形、撮影、編集を担当しております。夏から冬にかけての楽器演奏、そして12月のオーケストラコンサートととても楽しい造形を制作しました。

ウッホッホ!ねんどのティンパニ使ったゴリラのドラミングだ!

2011年7月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ゴリラくんとティンパニ」
2011年7月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ゴリラくんとティンパニ」

「ドーン、ドーン、ドーン!すごい大きな音。ゴリラくんの力で叩くティンパニは迫力満点だ!」というシチュエーションで制作しました。今回制作したミニチュア楽器は、打楽器の「ティンパニ」を作ることになり、太鼓を作るのであれば、演奏者は絶対ゴリラだ!と思い制作を始めました。

ティンパニは半円形に足がついた大型の太鼓です。皮が貼られた上面と大型の胴体を作る作業から入りました。制作する時に心がけたことは、マレット(ばち)で叩く上面の皮の部分と胴体の部分の差別化です。胴体の金属を感じる部分と皮面に当たる上部の粘土の素材を変えて制作に入りました。ただ、この半円球というのがなかなか難しいのです。粘土で丸を作ることなんて簡単と思われるかもしれませんが、狙った通りの正円を作ることはなかなか技術が必要となり、普通に制作しても望んでいる形やサイズに近づけることは難しいです。この胴体はしかも半円ということで、大変苦労しました。胴体を制作した後は、光沢液で塗装をし、独特な光沢を表現。その上面にマットな質感を出す粘土を薄く伸ばして、実際の皮張りと同じように、ねんどの皮を丁寧に伸ばしながら貼りました。

ゴリラくんのキャラクターもすごく気に入ってます。このなんとも言えない自信に満ちた表情と小さい目。ボディや顔のバランスも思った通りに制作することができました。ゴリラのようなキャラクターのディフォルメを行う時にどうして身体が大きいのに腕を細くしたり、目を小さくしたり、動作アクションが激しいの?と聞かれることがあります。

僕は昔のディズニーアニメーションが好きなのですが、昔のセルアニメーションで動くキャラクターは、その性格や行動をわかりやすくするために、あえて身体のパーツのバランスを変えることでメリハリをつけて迫力と魅力を作っています。キャラクターが身体も腕も足も頭も大きいとただの巨人になってしまいますからね。今でもディズニーアニメの「ヘラクレス」などを見て参考にしたりしています。そのため、ミミとミラノのように、大きい音に驚いていることを、読者にわかっていただくために、目のバランスを変えています。今でもとっても気に入っている表紙になりました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、針金、絵具などです。

トロンボーンを粘土で立体造形。指先に乗るミニチュアスイーツとうちわで夏も演出

2011年8月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ブタくんとトロンボーン」
2011年8月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ブタくんとトロンボーン」

2011年8月号の表紙で登場するのは「ブタくん」、演奏する楽器は「トロンボーン」です。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。「ブー、ブー、ブー。ねぇ、トロンボーンの練習も良いけど、暑すぎない?かき氷食べる?」というシチュエーションで制作しました。8月号は、金管楽器「トロンボーン」のミニチュア楽器を制作することになり、トロンボーンを吹く動物は、ブタにしよう!だって、トロンボーンはブーブーって音がしてるからという単純な理由で決定。

トロンボーのサイズは5cmくらい。小さいけれど、しっかりチューニング管、ベル、マウスピースにスライドと本物そっくりの造形をすることができました。全て粘土で制作しています。トロンボーンは金管楽器なので、粘土造形を行なったのち、金色の塗装の上から光沢液をつけて輝くような仕上がりにしました。ブタくんももちろん粘土で造形しています。

情報誌は8月ということもあり、夏の感じを出すような演出もしています。僕の中ではミラノ(愛犬)はちょっと、甘えん坊でわがまま。だから暑いときは暑いというし、寒い時は寒いという子どもみたいな性格です。ミミとブタくんが一生懸命練習している横から、うちわを仰ぎながらミニチュアスイーツとして作ったかき氷を差し出す演出をしようと思いました。ミラノのちょっとした行動のおかげで、夏らしさを出すことができたなと思っています。かき氷とうちわは粘土、かき氷を入れる器はレジンで制作しています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、レジン、針金、絵具などです。

ミニチュア楽器のファゴットの演奏を聴きながら、お月見なんて素敵。

2011年9月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「カンガルーの親子によるファゴット演奏とお月見」
2011年9月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「カンガルーの親子によるファゴット演奏とお月見」

2011年9月号の表紙で登場するのは「カンガルーの親子」、演奏する楽器は「ファゴット」です。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。お月見しながらフォゴットの演奏を聴くなんて本当に素敵ね。しめしめ、ミミが気づかないうちにお供えのお月見団子をつまみ食いしちゃえ。というシチュエーションで制作しています。

9月号は、木管楽器「ファゴット」のミニチュア楽器を制作することになり、ファゴットを演奏するのはどの動物にしようか?背が高くてヒョロリとした楽器だからカンガルーにしよう!ということで決定しました。ファゴットの特徴はオーボエと同じように上下に組み合ったリードで音を出す楽器です。ミニチュア楽器を作る際も同じように、粘土でパーツを作り上げ、本物と同じ構造で組み制作しています。ボディの部分は木の質感で制作し、ジョイント部分は全て金属質の粘土にするなど素材を変えながら制作しています。

情報誌は9月の発行のため、9月らしさも入れたいなと思いデザインに入りました。僕の住んでいる静岡はお月見の際に、縁側でいつもお団子やお菓子を置いてお月見を楽しんでいたなと思い出し、フォゴットの演奏を聴きながらなんて素敵だと思い演出しました。僕もミラノ同様にお月様を楽しむよりお団子つまみ食い派でしたが。。。可愛くて、品があり、ユーモアもありと今でもとても気に入っている表紙となりました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、針金、絵具などです。

牧場で粘土のホルンの演奏会。とっても素敵で眠たくなっちゃう。

2011年10月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ヒツジさんとホルン」
2011年10月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ヒツジさんとホルン」

2011年10月号の表紙で登場するのは「ヒツジさん」、演奏する楽器は「ホルン」です。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。牧場でのんびりしながらヒツジさんのホルンの演奏を聴くと、気持ちよくて眠たくなっちゃう。というシチュエーションで制作しました。10月号は、金管楽器「ホルン」のミニチュア楽器を制作することになり、ホルンを演奏するのはどの動物にしようか?と考えた結果、決まった動物は「ヒツジさん」。ヒツジさんのツノを見ていたらホルンに見えてきたというオチです。

ホルンは全て粘土で制作しています。本物と同じように、長く丸められた管を中央に配列して、マウスピースなどのパーツを配置しながら制作しています。非常に小さなパーツの組み合わせでできているので、慎重にピンセットを使いながら組み立ていたことを思い出します。

ホルンのミニチュアも気に入っているのですが、ヒツジさんのキャラクターも気に入っています。モコモコとした身体を作るために、小さな丸の粘土をつけては馴染ませ、つけては馴染ませを繰り返して制作しているのですが、出来上がったヒツジの身体に燕尾服を着せたところ、出来上がったのは「おにぎり」でした。ヒツジだけど、これおにぎりだよなーと思いながら、のりみたいに見えるのがいけないのかと思い、そうだ演奏を聴いているミミの膝に子どもを乗せようと作り始めました。出来上がったのは「お寿司」でした。でもキャラクター的にとても可愛く、ホルンの精巧さとのギャップで、より素敵な作品となりました。今でもすごく好きな「おにぎりキャラ」です。アレ?使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、針金、絵具などです。

街路樹から聴こえてくる、ミニチュア楽器のトランペット演奏。

2011年11月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ネコさんとトランペット」
2011年11月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ネコさんとトランペット」

2011年11月号の表紙で登場するのは「ネコさん」、演奏する楽器は「トランペット」です。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。街路樹の紅葉が綺麗だから、少し立ち止まって、僕の演奏を聴いていきなよ。というシチュエーションで制作しました。

11月号は、金管楽器「トランペット」のミニチュア楽器を制作することになりました。僕の中でトランペットは楽器の中で一番目立ちクールなイメージがあり、これをカッコよくてスマートなネコさんに演奏してもらおうと思い、デザインしました。僕の中でネコは可愛いよりクールです。

トランペットも他の楽器同様、本物と同じ構造で制作しています。1つ1つのパーツを粘土の手作りで制作し、組み上げていきます。ネコのキャラクターの身長が6cmくらいで制作しているため、トランペットのサイズは3cm程度です。とても小さく、指で押すピストン部分はお米の1/4ほどのサイズです。とても小さな部品を組み合わせて制作しました。形を組み上げた後は、金管楽器の光沢を出すために、金と銀の光沢液を使用して仕上げています。

11月という季節感と全体的にクールな印象を出したかったため、街路樹での演奏という演出にしました。レンガの壁やひらひらと舞う紅葉も全てねんどでできています。特に大変だったのは、街灯です。背景なのでこだわる必要がないかと思われるかもしれませんが、1つでも曖昧に作ってしまうと、全ての演出が崩れてしまうため、これも全部手作りで制作しています。透明のプラスチック板でガラスを作り、他のパーツは粘土で仕上げました。街灯の火はオレンジの光フィルムをクシャクシャにして、ガラスの中に入れて表現しています。色々と苦労はありましたが、おかげでとても落ち着いているけど可愛いクラフト感溢れる作品に仕上げることができました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、フィルム、針金、絵具などです。

さあ、始めるよ!森のオーケストラコンサートだ!

2011年12月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「動物たちとのオーケストラコンサート」
2011年12月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「動物たちとのオーケストラコンサート」

2011年12月号の表紙では、今まで登場した動物たちが民主音楽協会のコンサート会場に集まり、コンサートを行う。これをテーマに粘土の立体造形を行いました。さあ、みんな準備はいいかい。民主音楽協会のオーケストラコンサートの始まりだ!というシチュエーションで制作しました。1月から11月までに登場した動物たちとミニチュア楽器を集めてコンサートを行うという集大成的な表紙となりました。

ミニチュア楽器を演奏する全てのキャラクターは、この12月のコンサートで並べて撮影することを前提に計算して設計、製作をしてきました。一同に並べた時は、圧巻の一言でとても感動したことを覚えています。このような年間を通しての立体造形は、イメージラフデザイン案や企画をかなり慎重に行う必要があります。とても大変な作業ではありますが、最後にセッティングをしてストロボ撮影を行った時、頑張ってよかったなと思います。この瞬間がとても嬉しいです。

床のフローリングは、家づくりと同様、木の板を一枚一枚貼り付けてベースを作っています。背景の布も自然な流れでドレープができるように、箇所を縫い合わせて形を作っております。このオーケストラコンサートの演奏で、ミミとミラノと動物たちの冒険は終了となりました。とても楽しく制作させていただき、クライアント様には本当に感謝しております。もちろん、今見ても本当に好きな作品、好きな画像の1つとなりました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、布、木板、針金、絵具などです。

大変な高評価をいただき、シリーズの継続が決まりました。

民主音楽協会情報誌コンサートガイドは、基本的に1年の契約で次の年は違うイラストレーターやフォトグラファーの作品が表紙を飾ることになっており、契約もその流れでありましたが、クライアント様やユーザー様からの高評価を受け、来年もミミとミラノの冒険が続くことになりました。

ウォルナッツ・クレイワークスタジオは、自他共に認める本当に不器用なスタジオでして、1つの作品に対し、全力で向かっていくことがスタイルです。それこそが、作品から出る魅力につながると思い、尽力しているのですが、クライアント様からこのような評価を受けることは、僕たちにとって本当に幸せなことだなと感謝しております。そしてミミとミラノとまだ冒険が続けられるんだと、ワクワクが止まりませんでした。

期待される分、来年はどんなシチュエーションにしよう、どんなストーリーにしようとワクワクします。このようなクライアント様とお仕事をご一緒させていただくことが、ウォルナッツ・クレイワークスタジオ の作品のクオリティを高めることに繋がると感じています。本当にありがたく、もっとがんばりたくなります!

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