ウォルナッツ・クレイワークスタジオ

「民主音楽協会情報誌コンサートガイド(2012年1月〜6月)」にて粘土の立体造形イラストと表紙デザインを担当しました。

日本イラストレーター協会・最優秀エディトリアルイラストレーション賞 受賞作品。民主音楽協会の音楽情報誌コンサートガイド の表紙を2012年1月~12月まで、情報誌表紙の粘土の立体造形イラストと表紙デザインを担当しました。キャラクターデザイン、粘土の立体造形、撮影、編集を担当しております。

粘土で作るミニチュア蓄音機。レコードの溝まで作る精密な作業です。

2012年1月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「おじいちゃんの蓄音機」
2012年1月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「おじいちゃんの蓄音機」

2012年1月号の表紙で登場するのは「おじいちゃん」、紹介するゆかりの音楽は「蓄音機」です。これをテーマに、粘土の立体造形を制作しました。「ねぇ、おじいちゃん。この機械は何をするものなの?」「これは蓄音機だよ。昔はこのレコードを使って、音楽や歌を聞いたんだよ。」おじいさんがミミとミラノに古いレ蓄音機を説明している、というシチュエーションで制作しました。

1月号ということで、暖色系の背景をベースとして表紙デザインを行いました。蓄音機やレコードは全てねんどで制作しています。蓄音機のラッパの部分、ゼンマイのハンドル、レコードの針のパーツを粘土で制作し、それを組み立てました。ラッパの光沢などは制作したのち光沢液を塗り、金属の質感を表現しています。ほとんど見えないのですが、レコードも1枚1枚溝を丁寧につけています。わからないほどの小さな箇所でも丁寧に作ることで本物らしさが出ると考えております。

元日の1シーンにしようと考えていたので、ふさわしいものは何かなと思い、門松も作りました。背景に入っているので、小さくおまけ的なものではありますが、非常に細かいところまで造形しました。2年目も表紙を任されて、すごく気合が入って制作したことをよく覚えています。今でもとても好きな粘土作品の1つです。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、針金、絵具などです。

ウェーブのかかった髪の毛も、スカートのドレープもねんどでできています。

2012年2月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ミミのピアノ演奏とお父さんとお母さんのダンス」
2012年2月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ミミのピアノ演奏とお父さんとお母さんのダンス」

2012年2月号の表紙で登場するのは「お父さんとお母さん」、紹介するゆかりの音楽は「ピアノとダンス」です。これをテーマに、粘土の立体造形を制作しました。ミミのピアノに合わせてダンスをする二人。お父さんがそっとバラを差し出し「お母さん、いつもありがとう」と伝えているシチュエーションで制作しています。ミミとミラノのデザインは、少しレトロなヨーロッパ的洋装でキャラクターデザインをしたので、それに合わせるようにお父さんとお母さんも少しレトロなデザインで制作しました。

お父さん粘土造形に関しては、髪の毛がとても大変でした。デザイン的に、ストレートな髪よりもウェーブがかった髪型の方が良いなと思い、製作を始めたのですが、これが大変な作業になりました。髪は通常1枚づつ貼りつけながら行なっているのですが、お父さんは、この作業に加え、髪の毛の1枚1枚をウェーブするように形づくりました。なかなか高度なテクニックが必要で、しかも髪のカラーリングを少し明暗をつけ、より立体感を出しています。よく見ないとわからない箇所ですが、そのような工夫がウォルナッツ・クレイワークスタジオの粘土作品の中にはよく盛り込まれています。お母さんもロングスカートの下に白のプリーツスカートをつけ、ドレープが綺麗に着くように1枚1枚畳みながら制作しています。

ミニチュアフラワーのバラも手作りで制作しています。本物のバラの花びらと同じように1枚づつ花びらをランダムのサイズで作り上げ、指先の感覚で曲げ伸ばしを行い、花を作り上げていきます。よく見ないとわからないのですが、葉の葉脈までしっかり作り上げています。ちなみに2月はバレンタインデーということで、ちゃっかりチョコ好きのミラノがハートのチョコを食べようとしているという演出付きの表紙となりました。今でも大変気に入っている作品です。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、針金、絵具などです。

関節人形だからこそできる、衣装チェンジやポージング

2012年3月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ホワイトデーの演奏会」
2012年3月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ホワイトデーの演奏会」

2012年3月号の表紙で登場するのは「お父さんとおじいちゃん」、紹介するゆかりの音楽は「サックスの演奏」です。このテーマに、粘土の立体造形を制作しました。「いつもありがとう」ミミへのホワイトデーのお返しはプレゼントだけじゃないよ。一生懸命練習した僕たちの演奏を聞いてください。というシチュエーションで制作しました。男性陣の持つミニチュア楽器は木管楽器のサックス。もちろん全て粘土でできています。ベルやマウスピースなど全てのパーツを本物と同じ構造でねんどを制作し、組み立てています。

3cmくらいのサイズ(ミラノの持っているのは1.5cm)のミニチュアサックスですが、細部に至るまで、ピンセットなどを使用して手作りで制作しています。お父さんやおじいちゃんは楽器を演奏していますが、キャラクターの動きを出すときは、いつも作り直しているのですか?と聞かれることがあります。もちろん、ポーズによっては作り直すこともありますが、ウォルナッツ・クレイワークスタジオ のキャラクターは全ての関節が動く仕組みになっているので、1度作ったら色々なシチュエーションに対応することができます。顔も自由自在に外せるので、服装を変えたりなど色々な変更をすることができます。

プレゼントの箱は全てペーパークラフトで制作しています。1つ1つを組み合わせて、リボンで結んで制作しています。ウォルナッツ・クレイワークスタジオは、粘土の造形を得意としていますが、デザインの構成をする上で、もっともふさわしいと思うものを選んで制作しているため、粘土以外にもペーパークラフトや羊毛フエルトなど様々な素材を使って制作しています。色々な素材を組み合わせた結果、とてもクラフト感がある表紙デザインをすることができました。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、光沢液、布、画用紙、色紙、針金、絵具などです。

コーラスの歌声に誘われて、粘土の森の動物達がやってきたよ。

2012年4月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「お花畑でコーラス」
2012年4月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「お花畑でコーラス」

2012年4月号の表紙で登場するのは「お母さんとおばあちゃん」、紹介するゆかりの音楽は「コーラス」です。これをテーマに、粘土の立体造形を制作しました。お母さんとおばあちゃんのコーラスに誘われて、小鳥も飛んできたよ。あれあれ、リス君も一緒に歌いたいのかな?というシチュエーションで制作しています。スポンジをスプレーで染め上げて作ったお花畑の上でお母さんとおばあちゃんの粘土人形を立たせて誌面を構成しています。

キャラクターの衣装が変わっていますが、これもシチュエーションによって、首を差し替え、着替えさせることができるというウォルナッツ・クレイワークスタジオ の造形ならではの仕組みです。1つのキャラクターが長い期間登場する際は、このような仕組みで粘土のフィギュアを作っております。キャラクターの可愛らしさだけではなく、花のブローチの細かさや、スカートのドレープなど動きに合わせた自然の流れができるような造形を心がけました。

飛んでいる小鳥やリスも全て粘土でできています。ミニチュアの動物を制作することも多いのですが、動物もリアルにする場合とディフォルメする場合があります。今回のシチュエーションでは、背景というよりもキャラクター達と同列な形で存在しているため、キャラクターのディフォルメ感に合わせたデザイン・造形になっています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、スポンジ、針金、絵具などです。

お母さんありがとう。ねんどのミニチュアフラワーと母の日

2012年5月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「母の日のプレゼント」
2012年5月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「母の日のプレゼント」

2012年5月号の表紙で登場するのは「お母さん」、紹介するゆかりの音楽は「バイオリンの演奏」です。これをテーマに、粘土の立体造形を制作しました。お母さん、いつもありがとう。カーネーションの花束とミミからバイオリン演奏を送るね。ミラノも照れずにお母さんにお礼をしなくちゃね。というシチュエーショんで制作しております。5月発行の情報誌ということで、母の日をイメージするような誌面にしようと考え、デザインしています。

粘土のミニチュアフラワーのカーネーションは小指の爪よりも小さいくらいのサイズで制作しています。粘土を薄く伸ばし、ハサミなどを利用して形作ります。カーネーションの花びらはギザギザした形状になっているので、制作するのはとても大変でしたが、組み合わせて出来上がったカーネーションは単体でも束にしてもとても素敵な仕上がりになりました。

ミミの持っているミニチュア楽器のバイオリンも全て粘土でできています。形が仕上がったのち、バイオリンの弦を4本張り組み上げています。年季の入ったバイオリンにしたかったため、汚しを入れながら光沢液で鈍い光沢を出しています。ミラノのほっぺが赤くなっていますが、これはお化粧品のチークをつけています。粘土の人形にもこのような工夫ひとつで表情が変わってくるので、とても不思議で面白いです。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、レース、光沢液、針金、絵具などです。

膨張と収縮を計算しながら制作する粘土クラフト

2012年6月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ジャズとレコードプレーヤー」
2012年6月号 民主音楽協会コンサートガイド表紙「ジャズとレコードプレーヤー」

2012年6月号の表紙で登場するのは「お父さん」、紹介するゆかりの音楽は「ジャズとレコードプレーヤー」です。これをテーマに、粘土の立体造形を制作しました。雨の日が続くね。てるてる坊主も作ったし、部屋の中でコーヒーを飲みながらジャズを聴こうか。というシチュエーションで制作しました。

ミニチュアのレコードとレコードジャケット、ミニチュアの音響機器ステレオレコードプレーヤーは全て粘土でできています。レコードプレーヤーは四角いブロックのような形で制作していますが、粘土の特性上、水平な面を作るという技術はとても大変な作業です。というのも、粘土は造形したのち収縮しながら、膨張します。一見矛盾しているように聞こえますが、制作過程で水平にできていたとしても、完成した時に湾曲して出来上がる場合はあります。これを解決するのは、粘土の乾燥面を時間に応じて変えていき、その形状の変化を注意深くチェックしていく必要があります。思った以上に時間がかかる作業ですが、良い作品を作るためには必要な時間です。

背景にある紫陽花、てるてる坊主も全て粘土でできております。紫陽花の花や葉も1枚1枚粘土を平たくして造形して組み合わせて制作しています。てるてる坊主のスカートのようにヒラヒラした部分もドレープが自然に出るようにバランスを見て制作しております。全てをセッティングしてストロボ撮影を行い、全てのクラフトが組み合わさった瞬間がとても満足しています。梅雨らしさと、シチュエーションがしっかり表現できた作品で今でもとても気に入っています。使用した素材は、樹脂粘土、軽量粘土、針金、絵具などです。

粘土のキャラクターが自然と動いていくような感覚を覚えた作品

2012年も民主音楽協会情報誌コンサートガイドの表紙デザインを担当させていただくことになりました。2012年は、イメージキャラクターのミミ(女の子)とミラノ(愛犬←でも自分はミミの世話役だと思ってる)の家族を登場させようとなりました。おじいさんのイメージだけクライアント様からご提案いただき、おじいさん、お父さん、お母さん、おばあちゃんと、ミミとミラノの家族キャラクターデザインをさせていただきました。各キャラクターにも色々な性格を持たせて、とても可愛い表紙にできるなぁとワクワクしながら作ったのを思い出します。2012年の大きなテーマは、「ミミとミラノの家族と一緒に音楽を楽しもう!」です。

イメージキャラクターのミミとミラノに対する評価が高かったことから、同じようにその家族も楽しく同じくらいに魅力的にしたいという気持ちと造形の技術をもっと上げ、より楽しさを伝え、毎月情報誌が届くことが楽しみになるような誌面にしようと造形とデザインを行いました。キャラクターが毎回違うシチュエーションで登場するため、服装が変えることが楽しかったとともに、キャラクターに感情移入して制作できる分、不思議とキャラクターが自然と動いて誌面を彩っていくような感覚を覚えました。

ウォルナッツ・クレイワークスタジオの特徴でもある、デザイン、造形、撮影、編集、DTPと全てにおいて担当できることが関係してくるのかなと思い、それを全て担当させていただいたクライアント様には本当に感謝しております。

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