ファイナルファンタジーXIV
新生10周年記念ジオラマ 『希望の都 – A New Hope – 』 ウルダハ模型 Diorama 株式会社スクウェア・エニックス 2023

Description

ジオラマ × ミニチュア × ゲーム再現 × ファイナルファンタジーXIV
ファイナルファンタジーXIV 新生10周年記念ジオラマ
『希望の都 – A New Hope -』 ウルダハ模型(2023年制作)
世界的人気を誇るMMORPG『ファイナルファンタジーXIV(FF14)』の新生10周年を記念し、物語の舞台のひとつ「ウルダハ」の街並みを忠実に再現した超精密スケールジオラマを制作しました。ゲームの世界観を現実に立ち上げるこの大型ジオラマは、約1/180スケール・2メートル四方という圧倒的なスケールで、ファンイベントや展示会場において強い存在感を放ちました。
本作はこれまでに、「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2024 in 東京(東京ドーム)」、「ファイナルファンタジーXIV×伊勢丹 スペシャルコレクション 2025(伊勢丹新宿店)」、東京ゲームショウ2024のスクウェア・エニックスブース(幕張メッセ)など、国内有数の大規模会場で展示され、常に注目を集めてきました。運搬・組み立て・展示・解体・保管まで、すべてウォルナッツ・クレイワークスタジオが一貫して担当しており、イベント運用の実務も見据えたハンドリングが可能です。
本作の最大の特徴は、「ゲーム空間の構造美をリアルに立体化する」こと。画面越しでは感じられない重層的な都市構造、石造りのテクスチャ、装飾の緻密さまで、スクリーンショットや設計資料を精査し、立体造形としての説得力を持たせた構造設計を行いました。屋根の段差、アーチ構造、ファサードのバランス、塔の陰影に至るまで、すべてが“ジオラマ表現”として意味を持つよう再構築しています。


■ ジオラマ構造と造形のこだわり
展示仕様としては、4分割の分解式構造で、運搬性と再現性を両立。ベース土台・建物・小物まで、すべて手作業による立体造形で構成されています。使用素材は、樹脂粘土・石膏粘土・軽量粘土・木材・スチロール・布・真鍮板・真鍮棒・ガラス・プラスチック板・紙・針金・LEDライトなど多岐にわたり、仕上げにはアクリルガッシュを用いて繊細な色彩と質感を演出しました。
装飾パーツや窓は、デザインカッターで一つひとつ彫刻・切削。レンガはすべて表面に削り加工を施し、重厚感と歴史を感じさせるため、砂を混ぜた塗料を何層にも重ねて塗装・定着させています。木材の土台部分は、日本家屋の組み木技術を応用して強度を持たせ、作品全体の耐久性を確保しました。
また、街並み全体にリアリティを持たせるため、扉・階段・街灯・看板に至るまで、すべてキャラクターのサイズに合わせたスケールで制作。人物が実際に歩き、暮らしているかのような密度と秩序が通底しています。各所に削り・汚し・風化表現を施すことで、数々の歴史と物語を受け入れてきた都市「ウルダハ」の重厚な世界観を、リアルな造形と質感で具現化しました。


■ 照明・演出
内部にはLEDライトを多数埋め込み、スイッチひとつで街に命が灯るような演出が可能。夜のウルダハを思わせる柔らかな光が建物内から漏れ、幻想的な没入空間を演出します。


■ 制作スペック
ジオラマサイズ:H1000mm × W2000mm × D2000mm
スケール:約1/180
制作期間:約3ヶ月
担当範囲:ビジュアル設計/立体造形/照明設計/撮影編集
この作品は、ウォルナッツ・クレイワークスタジオが持つジオラマ造形・ミニチュア制作の技術を結集した代表作であり、ゲーム空間をリアル展示として立体化する試みにおいても高い評価を得ています。プロモーションや周年記念展示における、“世界観の再現 × 実物展示”の可能性を提示する、ひとつの到達点といえる作品です。

Client

株式会社スクウェア・エニックス

Year

2023

Style

Diorama
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