魔導工場・屋上|FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension) VideoGame×Diorama MISTWALKER/株式会社スクウェアエニックス 2021

Description
クレイアート × ミニチュアジオラマ × 工業デザイン × 映像連携
魔導工場・屋上(2021年制作)/FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension)より
RPG『FANTASIAN』(Apple Arcade/FANTASIAN Neo Dimensionとしてスクウェア・エニックスより展開)に登場するステージ“魔導工場・屋上”のミニチュアジオラマを制作しました。工業感あふれる建築群と、エネルギータンクや複雑に絡む配管類を立体造形に落とし込み、異世界のテクノロジーを感じさせるステージを物理的に再現しています。
ウォルナッツ・クレイワークスタジオでは、このジオラマにおいて造形用ビジュアルデザイン、設計デザイン、立体造形、照明、撮影、3Dスキャンまでを一貫して担当。手作業による緻密な造形力と、映像演出・スキャン技術までを統合することで、ゲーム開発と完全に連動したジオラマ表現を実現しています。
建物の構造は、粘土と発泡パネルをベースに造形。屋上に並ぶ無数の設備やタンク、エネルギーラインなどもすべて粘土から手作業で制作されています。特に質感表現にはこだわり、樹脂粘土(メタリックな光沢)、軽量粘土(不透明なマット質感)、石膏粘土(彫刻的ディテール)、透明粘土(発光体の再現)といった複数の粘土素材を使い分け、視覚的なリアリティを高めています。
また、小道具や構造物には、工場特有の使用感・経年変化を表現する“汚し”や“風化処理”を施し、空間に没入感と時間軸を与えています。照明演出では、光と影のコントラストによってステージのドラマ性を強調。さらに、制作したジオラマは3Dスキャンによってゲーム空間に取り込まれ、物理とデジタルの融合によるハイブリッドなアート表現を成立させています。
この作品は、Apple Arcade版に加えて『FANTASIAN Neo Dimension』として家庭用ゲーム機向けにも展開されており、世界中のプレイヤーが手作業によるアナログ造形をゲーム体験として楽しめるユニークな事例となっています。ゲーム業界と造形アートの交差点に生まれた本作品は、インタラクティブ性と手作業の温もりを併せ持つ新しい表現として高く評価されています。
〈制作情報〉
ジオラマ名:魔導工場・屋上(FANTASIAN/FANTASIAN Neo Dimensionより)
セットサイズ:H500mm × W1000mm × D400mm
縮尺:1/60スケール
制作期間:15日間
使用素材:樹脂粘土、石膏粘土、軽量粘土、透明粘土、レジン、木材、発泡パネル、スチロールほか
担当業務:造形用ビジュアルデザイン、設計デザイン、立体造形、照明、撮影、3Dスキャン