火山地帯|『TERRAWARS(テラウォーズ)』 ©︎MISTWALKER / ©︎Arzest VideoGame×Diorama MISTWALKER 2019

Description
クレイアート × ミニチュアジオラマ × ゲーム美術 × 世界観構築
火山地帯(2019年制作)|TERRAWARS / ©︎MISTWALKER / ©︎Arzest
スマートフォン向けリアルタイムストラテジーゲーム『TERRAWARS(テラウォーズ)』に登場するステージ“火山地帯”のミニチュアジオラマを制作しました。全ステージのジオラマセットをすべて手作業で造形。温かみのある世界観と映像表現が融合した、他に類を見ないビジュアル体験を実現しています。
火山地帯ステージでは、赤く脈打つ溶岩流と、その過酷な環境下で暮らす人々の営みをテーマに、ファンタジーとリアリズムを融合した空間を構築。溶岩の流れは、ジェルメディウムとアクリルガッシュを用いて粘性・光沢・発光感を細やかに表現。流動的な自然の力を、アナログ造形の中で再現しています。
溶岩地形は軽量粘土とスチロールをベースに、火山の隆起や浸食を感じさせる凹凸・断層を手彫りで造形。建物や住居は軽量粘土で成形し、窓には光が灯る演出を施すことで、火山地帯で暮らす人々の生活の息吹を感じさせます。さらに、火山熱をエネルギー源としたSF的なタンクや溶岩ケーブルも、すべて手作業で造形。用途に応じて樹脂粘土を使用し、金属的な質感や構造物としての存在感を際立たせました。
通路には、火成岩を模したレンガを一枚一枚成形し貼り込むことで、リアルで没入感のあるディテールを演出。塗装には粘土へ直接色を練り込む技法と、アクリルガッシュによる繊細な筆致を併用し、質感のコントラストと空間の深みを作り出しています。最終的に、全体に赤系の“汚し”や“風化”処理を施し、撮影時には赤フィルターを通した照明を使用することで、作品全体に火山特有の熱気と緊張感を与えています。
ウォルナッツ・クレイワークスタジオでは、造形用ビジュアルデザインから立体制作、照明・撮影までを一貫して担当し、ゲーム空間と手作業による造形表現との融合を高次元で実現しています。
〈制作情報〉
ジオラマ名:火山地帯(TERRAWARSより)
セットサイズ:H250mm × W600mm × D450mm
制作期間:15日間
使用素材:樹脂粘土、軽量粘土、スチロール、木材、ジェルメディウム、アクリルガッシュほか
担当業務:造形用ビジュアルデザイン、設計デザイン、立体造形、照明、撮影