ファルシオンの抜け道・断崖|FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension) VideoGame×Diorama MISTWALKER/株式会社スクウェアエニックス 2021

Description

クレイアート × ミニチュアジオラマ × ゲーム美術 × 映像芸術 × 自然造形
ファルシオンの抜け道・断崖(2021年制作)|FANTASIAN / FANTASIAN Neo Dimension
雪と氷に覆われた断崖を舞台にした、RPG『FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension)』の名シーン「ファルシオンの抜け道・断崖」をミニチュアジオラマとして再構築。高さ800mm・幅1500mmを超える大スケールのジオラマは、プレイヤーがこの空間を実際に歩いているかのような没入感を目指し、キャラクターの通行角度や足場の幅、背景との奥行感まで精密に設計されています。
地形はスチロールで骨格を構成し、複数種の粘土で雪山の重厚な質感を彫刻的に表現。重曹をさらに微細化したパウダースノー風素材で雪の質感を再現し、照明の反射にも対応する繊細な表面処理が施されています。崖から垂れる氷柱は、透明粘土を用いて一本ずつ手作業で造形。不規則な長さと氷雪の付着による自然なランダム性を演出しています。滝の流れも粘土で一体成形し、細かい凹凸を刻むことで水の流動感を際立たせました。
吊り橋の造形も、舞台装置としての不安定さを重視。粘土製の木材やロープをあえて削ったり反らせたりし、今にも崩れそうな緊張感を視覚的に構築。アナログならではの情報密度とクラフト感が、見る者の想像力を喚起します。
このジオラマ作品は、2024年に発表された『FANTASIAN Neo Dimension』(Nintendo Switch / Steam)でも再登場するシーンの舞台美術として再評価され、ゲームの世界観を「実体」として提示する手法に改めて注目が集まりました。ウォルナッツ・クレイワークスタジオでは、ビジュアル設計から立体造形、照明、撮影、3Dスキャンまでの全工程を一貫して担当し、アナログとデジタルが融合する“実体化されたゲーム美術”として本作を完成させました。


ジオラマ制作素材:樹脂粘土、軽量粘土、石膏粘土、スチロール、銀紙など
ジオラマセットサイズ:H800mm × W1500mm × D1500mm(スケール 1/60)
制作期間:30日

Client

MISTWALKER/株式会社スクウェアエニックス

Year

2021

Style

VideoGame×Diorama
一覧にもどる