【クレイアート/粘土立体イラスト】
小学ポピー「1・2年生」2022年2月号 教材表紙デザイン制作
クレイアート × ミニチュアジオラマ × 教材表紙 × 昔話
グリム童話『ブレーメンの音楽隊』をモチーフに、夜の家へ向かうロバ・犬・猫・おんどりたちが協力して泥棒を追い払う名場面を立体的に表現したクレイアート作品です。ウォルナッツ・クレイワークスタジオが得意とする“物語性のあるジオラマ造形”と“リアルとデフォルメの融合”によって、動物たちの勇気とチームワークを楽しく描いています。
〈コンセプトと演出テーマ〉
テーマは「みんなで力を合わせよう」。ロバが前足を窓にかけ、犬・猫・おんどりが順番に背中へと登っていく――物語のクライマックスをそのまま立体化。一斉に声を合わせて“音楽”を奏でる瞬間を、コミカルでありながらダイナミックに表現しました。誌面全体が、仲間と協力することの楽しさを伝える構成になっています。
〈造形と素材表現〉
動物たちはすべて樹脂粘土によるフルハンドメイド。ロバ、犬、猫、おんどりはシンプルにディフォルメしたデザインでありながら、細部にわたって造形表現を追求しました。星空や三日月は軽量粘土で制作し、アクリルガッシュでグラデーション塗装。夜空の中に優しい光を感じさせるよう、表面には艶出しニスを重ねて幻想的な質感を演出しています。泥棒たちが潜む家は、スチロールをベースにモデリングペーストとアクリルガッシュ(アイボリー)を混ぜて塗り固め、古びた漆喰壁のような質感を再現。レンガ屋根はバルサ材を1枚ずつ貼り合わせて成形し、アクリルガッシュで塗装した上に汚し塗りを重ね、年月を感じる風合いを出しています。煙突は石膏粘土で制作し、彫刻刀で岩のような凹凸を刻みながら何層にも塗装を重ねてリアルな立体感を追求しました。泥棒たちは、黒いボール紙をカッティングして作ったシルエット造形。家の窓越しに映る影として登場させることで、子どもたちにも怖すぎない“絵本的な演出”に仕上げています。
〈撮影と照明演出〉
夜のシーンながら、登場キャラクターには柔らかなライトをスポット的に照射。背景は全体的に暗めに設定しつつ、窓からの光や月明かりをアクセントにして立体感と物語性を強調しています。粘土の質感や陰影が際立つように、照明はLED常灯+側面反射板による立体演出を採用。これにより「暗闇の中の勇気」と「みんなで力を合わせる温かさ」を両立させています。
〈探し絵と教育的要素〉
誌面には“はなまるコイン”が隠されています。動物たちの背中のあたり、夜空、屋根の影などにさりげなく配置され、親子で「どこかな?」と楽しみながら探せる仕掛けに。物語と連動した“観察力を育む探し絵”として構成されています。
〈担当範囲〉
・ビジュアルデザイン(イメージラフ/誌面レイアウト設計)
・キャラクター/小道具/背景の粘土造形
・照明
・撮影
・画像編集
・冊子DTPデザインまで一貫制作
〈制作情報〉
・制作年:2022年
・使用素材:樹脂粘土、軽量粘土、スチロールボード、バルサ材、石膏粘土、モデリングペースト、アクリルガッシュ、黒ボール紙
・キャラクターサイズ:H60〜90mm
・ジオラマセットサイズ:約W550 × H400mm
・撮影構成:夜間シーン(スポット照明+反射板使用)
本作は、「クレイアート × 昔話 × ミニチュアジオラマ × 教材デザイン」をテーマに、仲間との協力・勇気・創意工夫を描いた“立体で読む名作童話”として構築されたクレイイラストレーション作品です。ウォルナッツ・クレイワークスタジオならではの精密造形と温かみのある演出が融合し、子どもたちが“力を合わせる楽しさ”を自然に感じ取れる誌面ビジュアルとなっています。
- Client
- 株式会社新学社
- Year
- 2022
- Style
- Clay Art
