【ジオラマ制作/クレイアート】
FANTASIAN ファルシオンの抜け道・断崖|ゲーム空間美術
©MISTWALKER/©SQUARE ENIX
クレイアート × ミニチュアジオラマ × ゲーム美術 × 映像芸術 × 自然造形
雪と氷に覆われた断崖を舞台にした、RPG『FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension)』の名シーン「ファルシオンの抜け道・断崖」を、実寸感のあるミニチュアジオラマとして再構築しました。高さ800mm・幅1500mmを超える大スケールのセットは、 キャラクターが実際にこの空間を歩くような没入感を生むことを目的に設計。通行角度・足場の幅・背景との奥行感までミリ単位で計算された実写レベルの空間設計によって、雪山の冷たさと壮大なスケールを立体的に再現しています。ウォルナッツ・クレイワークスタジオでは、ビジュアル設計・立体造形・照明・撮影・3Dスキャンをすべて自社で一貫制作。アナログ造形の密度とデジタル表現の正確さを融合させ、ゲーム美術の中に“現実として存在する風景”を立ち上げています。
〈コンセプト〉
“ファルシオンの抜け道・断崖”は、極寒の山岳地帯にそびえる雪と氷の回廊です。氷柱が垂れ、吹雪が舞い、足を踏み外せば奈落に落ちるような危うさを孕みながら、プレイヤーを緊張と静寂の中へ導く舞台として設計されています。ジオラマでは、地形をスチロールで骨格構成し、複数種の粘土を重ねて雪山の重量感と彫刻的造形美を表現。 重曹を微粒化した独自のパウダースノー素材で雪の質感を再現し、 光の反射や陰影までコントロールした繊細な表面処理を施しています。崖から垂れる氷柱は透明粘土を一本ずつ手作業で造形し、長さ・角度・付着雪の状態をすべて異なるパターンで再現。自然がつくり出すランダム性を、職人の手によってコントロールした“人工の自然”として成立させました。滝の流れも一体成形で制作し、表面には細かな凹凸を刻むことで、水が流れ落ちる瞬間の速度感と冷気を感じさせる造形に。水面にはジェルメディウムを用い、波紋がわずかに広がった直後に凍りつくような“時間が止まる瞬間”を立体的に捉えています。 波紋の上にシャーベット状の雪を薄く重ねることで、氷点下の水面に広がる冷たさと静寂を表現しました。
〈造形・素材の特徴〉
この作品では、細部の一つひとつに現実的な重量感と寒冷表現が施されています。岩肌にはアクリルガッシュを何層にも塗り重ね、地層のように積み上がる汚れや凍結の質感を構築。その複雑な汚しが“歴史ある断崖”としての深みを与えています。吊り橋は、キャラクターが通行する重要な構造物として、「崩壊寸前のリアリティ」を意識して設計。木材部分は粘土と実際の木片を併用し、一本ごとに削り・反らせ・欠けを加え、ロープは針金でテンションをかけながら吊り構造を再現。見た目の不安定さを演出することで、冷たくも緊張感のある世界観を強調しました。木々の造形にも徹底したこだわりを持ち、スポンジと木材で形成した枝葉に雪の重さや積雪時間を計算しながら雪を降り積もらせています。これにより、ただ白い雪ではなく、時間の経過を感じる雪景が生まれました。
〈撮影・照明設計〉
撮影では、雪に覆われた岩肌の重厚感を最大限に表現するため、白色LEDライトとストロボを組み合わせた冷色系の照明構成を採用。吹雪をイメージさせる白い世界観を形成するために、柔らかな散光を天井から照射し、雪面の粒子に微細なハイライトを生み出しています。また、陰影の中に青みを帯びたカラーフィルム光を差し込み、雪原の中にも“氷の透明感”と“空気の冷たさ”を感じる映像的な立体照明を構築。3Dスキャン時にも、これらのライティングを再現した条件下で撮影し、デジタル空間へ正確に反映できるよう最適化されています。
〈担当範囲〉
・ビジュアル設計・セット構成
・立体造形(スチロール+粘土+木材複合)
・吊り橋造形(木材・針金構造)
・植生造形(スポンジ+木材構成)
・雪・氷・滝・波紋造形(重曹・透明粘土・ジェルメディウム)
・照明設計・ストロボ撮影・3Dスキャン
〈制作情報〉
・ジオラマ名:ファルシオンの抜け道・断崖(FANTASIAN/FANTASIAN Neo Dimensionより)
・セットサイズ:H800 × W1500 × D1500mm(1/60スケール)
・制作期間:約30日間
・使用素材:樹脂粘土、軽量粘土、石膏粘土、スチロール、木材、針金、銀紙、重曹、ジェルメディウム、アクリルガッシュ、スポンジ、LEDライト ほか
・撮影方式:ストロボ+LED+冷色フィルムライト/3Dスキャン対応
・制作年:2021年
本作は、クレイアートとジオラマ造形、そして光演出による雪と氷の表現を極限まで高めた作品です。吊り橋の緊張感、氷柱の冷たさ、雪の重さ、そして水面の静寂まで、あらゆる要素が“自然の時間”を感じさせるように設計されています。アナログによる手作業の積層が、デジタルゲームの世界を現実に引き寄せ、“ファンタジー世界を物理的に存在させる”という新しい試みを体現。ウォルナッツ・クレイワークスタジオの代表的ジオラマ作品として、FANTASIANの幻想世界を現実に降ろした象徴的なアートピースとなっています。
- Client
- スクウェア・エニックス, MISTWALKER
- Year
- 2021
- Style
- Diorama, Video Game
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