【クレイアート/粘土立体イラスト】
小学ポピー「1・2年生」2021年6月号 教材表紙デザイン制作
©︎Shingakusha Co., Ltd.
クレイアート × 教材表紙 × 粘土細工 × 立体イラスト × 昔話 × 絵本ビジュアル
『小学ポピー「1・2年生」2021年6月号』のテーマは、“ちえと工夫でまもる力”。名作童話『三びきのこぶた』をモチーフに、三びきの子ぶたとオオカミの名場面を、粘土造形とミニチュアジオラマによって立体的に再現したクレイアート作品です。ウォルナッツ・クレイワークスタジオが手がける“名作童話シリーズ”のひとつとして、物語の緊張感とユーモアを、温かみある手作りの質感で表現しています。
〈コンセプトと演出テーマ〉
テーマは「知恵と工夫が未来をつくる」。藁の家、木の家を飛び出した二匹の兄ぶたが、レンガの家に逃げ込み、オオカミが全力で息を吹きかける――子どもたちにもおなじみの名シーンを、絵本の1ページのような構図で再現しました。誌面中央には、重厚感のあるレンガの家がどっしりと構え、オオカミがふうっと息を吹きかける躍動感ある姿。窓から顔を出す三匹のこぶたたちの表情には、驚きと笑いが共存し、物語の楽しさをそのまま誌面に閉じ込めた構成となっています。
〈造形と素材表現〉
レンガの家は、ベースをスチロールボードで組み上げたのち、樹脂粘土で制作したレンガブロックを1枚ずつ積み重ねて構築。レンガ表面にはアクリルガッシュによる多層の“汚し”塗装を施し、経年した赤レンガのような深い陰影を再現しています。屋根もスチロールパネルを1枚ずつカッターで切り出し、レンガと同様の質感で構築。重厚さと手作りの温もりを両立させた仕上がりです。窓枠や扉は木目の方向性を意識してカッターで細かく切り込みを入れ、筆で木目を描き込みながらリアルな木材表現を追求。草原の地面は軽量粘土の上にジオラマ用芝パウダーを敷き詰め、背景の山々は歯ブラシで凹凸を作りながら自然な立体感を演出しています。登場キャラクターの三びきのこぶたとオオカミはすべて樹脂粘土によるフルハンドメイド造形。こぶたたちはおそろいのオーバーオール姿で、ボタンやポケットの縫い目まで粘土で表現。オオカミは大きく息を吹きかけるポーズで造形し、額の汗や毛並みの流れまで丁寧に再現。“怖さよりも楽しさ”を感じられる、子どもたちに親しみやすい造形バランスに仕上げています。
〈色彩設計と照明演出〉
全体は初夏の草原をイメージした、緑とレンガ色のコントラストで構成。背景の青空が誌面上部を明るく包み込み、暖色系のレンガとの対比が心地よいバランスを生み出しています。照明はLED常灯をベースに、太陽光を模したストロボを前方から当て、オオカミの影とレンガの陰影を強調。粘土の質感を活かしながら、立体的で物語性のある明るい誌面を演出しています。
〈教育的構成と探し絵〉
探し絵は“はなまるコイン”。草原に咲く花々の中やレンガのすき間など、誌面のあちこちに隠されており、親子で「どこかな?」と会話しながら探すことで、観察力や集中力を育む工夫が施されています。絵本でおなじみのストーリーを立体造形で再構成することで、「見る・感じる・考える」を自然に促す学習ビジュアルになっています。
〈担当範囲〉
・ビジュアルデザイン(イメージラフ/誌面レイアウト設計)
・キャラクター/小道具/背景の粘土造形
・照明
・撮影
・画像編集
・冊子DTPデザインまで一貫制作
〈制作情報〉
・制作年:2021年
・使用素材:樹脂粘土、軽量粘土、スチロールボード、アクリルガッシュ、芝パウダー
・キャラクターサイズ:約H70〜80mm
・ジオラマセットサイズ:約W500 × H350mm
・撮影構成:正面撮影・LED+ストロボ照明
本作は、「クレイアート × 教材表紙 × 粘土細工 × 絵本 × 昔話 × 教育デザイン」をテーマに、名作『三びきのこぶた』の世界を温かく再構築した立体イラストレーション作品。ウォルナッツ・クレイワークスタジオならではの手作りの精密さと物語演出の融合によって、子どもたちが物語を感じながら学びへと入っていける、“見て学ぶ教材ビジュアル”として完成しています。
- Client
- 株式会社新学社
- Year
- 2021
- Style
- Clay Art
