【クレイアート/粘土立体イラスト】
小学ポピー「1・2年生」2021年11月号 教材表紙デザイン制作
クレイアート × 教材表紙 × 粘土細工 × 立体イラスト × 昔話 × ミニチュアジオラマ
『小学ポピー「1・2年生」2021年11月号』のテーマは、“みんなで力を合わせて”。日本の名作童話『さるかに合戦』をモチーフに、カニの親子と仲間たちが悪さをした猿をこらしめる場面を、楽しくダイナミックな立体構成で表現したクレイアート作品です。ウォルナッツ・クレイワークスタジオが得意とする“リアルな背景造形 × コミカルなキャラクターデザイン”によって、ユーモラスで迫力のある誌面に仕上げました。
〈コンセプトと演出テーマ〉
テーマは「仲間と協力して困難を乗りこえる」。柿の木の下で猿をこらしめる名シーンを、低学年の子どもたちが楽しめるように、ユーモアを重視した構成で再現しています。カニの親子、猿、うす、牛のくそ、くり、ハチ――それぞれのキャラクターが生き生きと登場し、空中を飛ぶうすやハチの動きが紙面全体にリズムを生み出しています。全体は絵本のワンシーンのような明るい構図で、物語の流れと感情がひと目で伝わるデザインになっています。
〈造形と素材表現〉
キャラクターはすべて樹脂粘土によるフルハンドメイド造形。カニの親子は丸みを帯びたフォルムで愛らしく、ハサミの動きや表情の違いで親子の個性を表現。思わず転ぶ猿は表情にユーモアを持たせ、“ドタバタ劇”として楽しめるデザインに仕上げました。うす、牛のくそ、くり、ハチといった仲間たちも、それぞれの特徴を生かしたコミカルな造形で構成。空中に飛ぶうすやハチは吊り撮影を用い、動きと躍動感を感じられる演出にしています。背景の山々は軽量粘土をベースに歯ブラシで凹凸をつけ、自然な土肌を再現。茅葺き屋根の猿の家はスチロールボードで骨格を組み、屋根部分を軽量粘土で制作。1本ずつ粘土カッターで後付けした茅の束を、爪楊枝でかき出すように加工してリアルな繊維感を表現しています。地面は芝パウダーと土パウダーを併用し、猿が逃げ出していく道の質感を立体的に再現。柿の木は木製粘土を使用し、幹や枝の質感に秋の深まりを感じる色調を採用。実った柿は樹脂粘土によるミニチュアフルーツで、熟した柿と青い柿の2種を制作。ヘタや色味の違いまで丁寧に作り分けることで、自然のリアリティを表現しています。
〈色彩設計と照明演出〉
全体は秋の紅葉をイメージした、暖色系を中心とした色彩設計。 秋の青空はグラデーションで季節感を出しつつ、キャラクターの表情が際立つよう配色バランスを調整。 照明はLED常灯と前方ストロボを併用し、柿の木の陰影や屋根の質感を際立たせています。粘土の柔らかい反射を活かし、温かくてどこか懐かしい秋の空気を感じさせるライティングになっています。
〈教育的構成と探し絵〉
探し絵のモチーフは“はなまるコイン”。紅葉の葉のあいだや柿の枝の裏など、誌面のあちこちに隠されています。親子で「どこにあるかな?」と話しながら探すことで、集中力と観察力を育てる構成になっています。物語を通して“協力することの大切さ”を感じ取れる、遊びと学びを両立したビジュアルデザインです。
〈担当範囲〉
・ビジュアルデザイン(イメージラフ/誌面レイアウト設計)
・キャラクター/小道具/背景の粘土造形
・照明
・撮影
・画像編集
・冊子DTPデザインまで一貫制作
〈制作情報〉
・制作年:2021年
・使用素材:樹脂粘土、軽量粘土、木製粘土、スチロールボード、芝パウダー、土パウダー、アクリルガッシュ
・キャラクターサイズ:約H60〜80mm
・ジオラマセットサイズ:約W500 × H350mm
・撮影構成:正面撮影・LED+ストロボ照明
本作は、「クレイアート × 教材表紙 × 粘土細工 × ミニチュアジオラマ × 昔話 × 教育デザイン」をテーマに、名作『さるかに合戦』の世界を秋の色彩の中に再構築したクレイイラストレーション作品。ウォルナッツ・クレイワークスタジオならではの緻密な造形力と温かい演出で、子どもたちが“仲間と協力する楽しさ”を感じられる、学びと物語が融合した教材ビジュアルとして完成しています。
- Client
- 株式会社新学社
- Year
- 2021
- Style
- Clay Art
