【ジオラマ制作/クレイアート】<br>FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension) 古代の丘・岩柱の道|ゲーム空間美術

【ジオラマ制作/クレイアート】
FANTASIAN(FANTASIAN Neo Dimension) 古代の丘・岩柱の道|ゲーム空間美術

©MISTWALKER/©SQUARE ENIX

クレイアート × ミニチュアジオラマ × ファンタジー美術 × ビデオゲーム背景造形

Apple Arcade向けRPG『FANTASIAN』、およびスクウェア・エニックスより展開された『FANTASIAN Neo Dimension』に登場するステージ“古代の丘・岩柱の道”を、実際の立体セットとして制作したミニチュアジオラマ作品です。
本作は、古代の丘を越えた先に現れる、巨大な岩柱と危うげな木橋、石造りの階段によって構成されたファンタジー空間です。自然の浸食によって生まれたような岩場と、古代文明を思わせる人工的な構造物が重なり合い、冒険の緊張感と神秘性を感じさせるステージとして立体化しました。
ウォルナッツ・クレイワークスタジオでは、ビジュアルデザイン、セット設計、立体造形、塗装、汚し加工、照明、撮影、3Dスキャンまでを一貫して担当。スチロール造形とアクリルガッシュによる多層塗装、ジオラマパウダーによる質感表現を組み合わせ、ゲーム背景美術としての奥行きと、手仕事ならではの実在感を両立させています。

〈コンセプト〉

“古代の丘・岩柱の道”は、古代の丘を越えた先に現れる、岩場と橋によって構成された幻想的なエリアです。そびえ立つ岩柱、崩れかけた木の橋、岩場の上へと続く石階段によって、先へ進むことへの期待感と、足元の危うさが同時に感じられる空間として設計しました。
岩柱や地形部分は、スチロールをベースに形成。スチロールカッターで不規則に削り出すことで、人工的に整いすぎた形ではなく、長い年月の中で自然に削られたような大地の表情を作り出しています。
塗装にはアクリルガッシュを使用し、色を重ねながら岩肌の陰影や風化した質感を表現。さらに化粧用パフを使って汚しを重ねることで、岩が長い年月を経てきたような深みを加えています。表面にはジオラマパウダーを不規則に散らし、苔や植生が岩場へ侵食していくような自然な広がりを演出しました。

〈造形・素材の特徴〉

岩場をつなぐ木の橋には、実際の木材を使用しています。橋はあえて均一で丈夫な構造にはせず、ところどころに隙間や削れ、汚しを加えることで、今にも崩れそうな不安定さを表現しました。
この橋は、単なる移動のための構造物ではなく、古代から残された岩場の向こうへたどり着くための道として制作しています。そのため、板の並びや幅を規則正しく整えすぎず、手作業で組まれたような粗さを残しました。木材の削り跡や汚しによって、長い時間の中で朽ちかけた橋の質感を出しています。
岩場の上へと続く石階段は、古代文明の遺跡を思わせる造形を意識しました。ある程度の規則性を持たせながらも、機械的に整った形にはせず、人の手で削り、積み上げられたような不均一さを加えています。段差の角には削れや欠けを入れ、表面にはヒビや汚しを施すことで、長い年月を経た石造物としての存在感を表現しました。
岩場の下に広がる植物表現には、スポンジ素材を使用。ヘアカラースプレーによって、青、マゼンタ、黒、濃緑が複雑に混じり合うように彩色し、現実の植物とは異なるファンタジー性の強い植生を作り出しています。岩の重厚感に対して、下層に広がる異形の植物が加わることで、空間全体に不思議な湿度と神秘性を持たせています。

〈素材と色彩設計〉

・岩柱・地形構造:スチロールによる削り出し造形
・岩肌塗装:アクリルガッシュによる多層塗装
・汚し加工:化粧用パフによる風化表現
・苔・地表表現:ジオラマパウダー
・木橋:天然木材・針金構造
・石階段:スチロール造形+塗装・ヒビ加工
・植生:スポンジ素材+ヘアカラースプレー
・色彩:青、マゼンタ、黒、濃緑を組み合わせた幻想的な植物表現
・照明:LED照明による多層ライティング
岩柱には、自然の浸食や風化を感じさせる色の重なりを加え、石階段や木橋には、人工物でありながら長い時間を経て自然に飲み込まれていくような質感を持たせています。自然物と人工物の境界が曖昧になるように設計することで、古代遺跡のような空気感を持つファンタジージオラマとして仕上げました。

〈撮影・照明設計〉

撮影では、メインライトを上方から柔らかく落とし、岩柱の高さや石階段の凹凸が自然に浮かび上がるように調整しました。さらに斜め方向からのライトを加えることで、岩場の奥行きや橋の立体感を強調。暗部に適度な陰影を残すことで、神秘的で少し危うさのある空間を演出しています。
木橋や石階段は、光が当たる面と影になる面の差が出るように照明を設計し、実際にその場を歩いて進んでいくような臨場感を意識しました。下層に広がる濃い色の植物には、光が当たりすぎないように調整し、岩場の下に別の生態系が広がっているような不気味さと幻想性を残しています。
3Dスキャン時には、全体に均一なLEDライティングを施し、360度から撮影。岩肌、木橋、階段、植生などの立体情報を取得しやすいよう、陰影を抑えた環境で記録しています。

〈担当範囲〉

・ビジュアルデザイン/セット設計
・立体造形
・岩柱造形
・木橋造形
・石階段造形
・植生表現
・色彩設計・汚し・塗装
・照明設計・撮影・編集
・3Dスキャン・データ化

〈制作情報〉

・ジオラマ名:古代の丘・岩柱の道(FANTASIAN/FANTASIAN Neo Dimensionより)
・セットサイズ:H300 × W900 × 600mm
・制作期間:約20日間
・使用素材:軽量粘土、樹脂粘土、木粉粘土、スチロール、発泡素材、木材、針金、芝パウダー、ジェルメディウム、アクリルガッシュ、LED照明 ほか
・撮影方式:多層ライティング+3Dスキャン対応
・制作年:2021年

本作は、クレイアートとミニチュアジオラマによって、ゲーム内のファンタジー空間を実在する背景美術として立体化した制作事例です。スチロールによる岩柱造形、木材を使用した危うげな橋、古代文明を思わせる石階段、青やマゼンタを帯びた幻想的な植生など、ひとつひとつの要素を手作業で積み重ねることで、ゲームの世界に存在する“道”としてのリアリティを追求しました。
ウォルナッツ・クレイワークスタジオでは、ゲーム・アニメ・キャラクターIP・映像作品に向けたミニチュアジオラマ制作、ゲーム背景美術、立体造形、撮影用セット、3Dスキャン対応まで一貫して対応しています。手仕事による実在感と、デジタル展開につながる背景美術の両面から、作品世界をより深く印象づける立体表現をご提案します。

Client
スクウェア・エニックス, MISTWALKER
Year
2021
Style
Diorama

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