【ジオラマ制作/クレイアート】
パルパ|『TERRAWARS(テラウォーズ)』粘土人形
©︎MISTWALKER / ©︎Arzest
クレイアート × ストップモーション × ゲームキャラクター × 手作り人形 × 精密造形
ファンタジーゲーム『TERRAWARS』に登場する、美しき岩人の女王「パルパ」を、ストップモーションアニメーション撮影用の精密クレイパペット(粘土人形)として制作しました。キャラクター本体はもちろん、台座に至るまですべて粘土による手作業で制作。ウォルナッツ・クレイワークスタジオが、キャラクター造形から撮影、ストップモーション撮影まで一貫して担当しています。
〈キャラクターとテーマ〉
「パルパ」は、品格のある女王の佇まいと、しなやかで女性的なフォルムが印象的なキャラクターです。本作では、その美しさと気高さを損なわずに立体化することを重視しながら、ストップモーションアニメーションで実際に“動かせる”粘土人形として成立させることが大きなテーマとなりました。
黒とグレーが入り混じる複雑なコスチュームや、印象的な紫色のボブヘアー、繊細な顔立ちなど、キャラクターの魅力を丁寧に拾い上げながら、造形としての完成度と撮影時の実用性を両立させています。
〈造形と可動設計のこだわり〉
パルパの造形で特に重要だったのは、女性キャラクターならではの繊細で哀しげな表情づくりと、複雑な衣装・髪型の立体表現です。
紫色のボブヘアーは、髪の束をひとつずつ粘土で作り、空気を含んだような広がりのあるフォルムになるよう、あらかじめ曲げた状態で成形。それらを組み上げながら全体のシルエットを整えています。さらに、毛先には粘土カッターで細かくランダムな線を入れることで、自然な毛流れとやわらかな動きを表現しました。
全身のコスチュームは、黒とグレーが複雑に入り混じるデザインをもとに、立体として破綻しないよう形状や面構成を丁寧に整理しながら制作。品格のあるシルエットと重厚感のある衣装表現を両立させています。
顔の造形にも特に力を入れており、丸い粘土のかたまりから、粘土棒を使って目のくぼみや鼻筋を手作業で整形。乾燥後に鉛筆で顔のバランスを描き込み、模型用塗料でベースを作った上で、アクリルガッシュを重ねながら、瞳の輝きや奥行きを何層にもわたって描写しています。まつ毛は約1mm単位で長さを調整しながらピンセットで接着し、単に横へ伸ばすのではなく、斜め前方へ立ち上がるように配置することで、立体感のある目元に仕上げました。
また、パルパは手を前にかざしながら移動するキャラクターですが、攻撃時には腕を大きく伸ばし、手を広げる動きが必要となります。そのため、肘から下の腕パーツを差し替えできる構造を採用。樹脂粘土は硬化後に柔軟な変形が難しいため、複雑なアクションに対応するための差し替えシステムとして設計しました。ストップモーション撮影での演技幅を広げつつ、造形の美しさも損なわないよう工夫しています。
台座も樹脂粘土によって制作しており、すべてのパーツを個別に作ったうえで、最後に組み立てる方法で構成。四方に配置されたガラス状の球体パーツは、レジン液を硬化させて接着し、キャラクターの世界観にふさわしい神秘的な雰囲気を加えています。
〈制作範囲〉
・3面図/立体設計
・クレイパペット立体造形
・台座造形
・撮影
・ストップモーションアニメーション撮影
〈制作情報〉
・キャラクター粘土サイズ(台座含む):H160mm
・立体造形期間:10日
・クレイアニメーション制作期間:2日
・制作年:2019年
本作は、『TERRAWARS』に登場する「パルパ」を、繊細な表情表現、複雑な衣装造形、差し替えによる可動設計まで含めて立体化した、ストップモーション用クレイパペット制作事例です。ゲームキャラクターの魅力を、手作りならではの存在感と精密な造形で“動く立体”として再構築した作品となっています。
- Client
- MISTWALKER, Arzest
- Year
- 2019
- Style
- Video Game
